top of page

お客様自身による電池交換失敗で、こちらの心が痛かった件

  • 岩手時計店・店主
  • 3月13日
  • 読了時間: 2分

更新日:4月25日

本日はご年輩のお客様が来店されました。


「自分で電池交換をやったが、その時に針が重なって曲がった」


との事。


耳に補聴器、目は白内障気味。

年齢的に80代に見えました。


次に時計を見ると、リューズは浮き上がって収まらない状況。

秒針と長針がブーメランの様にぐんにゃり曲がっています。


「ここまで曲がれば直せません。部品交換しないと駄目ですね。だいぶ古い時計の様にみえますがメーカーが部品を持っているかどうか聞いてみないと分かりません。こちらのメーカーですと部品交換と分解掃除で恐らく10万円前後になりますでしょうか。」


「この時計を40年使いました。それじゃダメだね。時計屋さんがなくなったから自分でやったのに」を何回も何回も連呼。


何とか安く直してくれみたいな独り言を語ってくるのですが、

ここまで来たらむりです。こちらも同じ事しか言えません。


「ここまで来たら直せません。メーカーに送って部品交換するだけです。

聞いてみないと分かりませんが10万円前後はするかもしれません。」


とこちらも同じ内容を繰り返し伝えたところ、

名残惜しそうに帰って行かれました。


最近、自分で電池交換をされ、

壊してもって来られる人が多くなりました。


今回は古い時計でしたが、

最近の時計は目立つように時計をワザと大きくしたり、

裏ブタは小指の爪より小さな蓋にしたり、

素材をケチった陳腐なつくりだったり、

竹や木の天然素材だったり、

デザイン優先でガラスやケースも不必要なカーブを付けてみたり、


売ったら終わりのメンテナンス無視の設計が増えた様に見えます。


30年近く時計を触ってきましたが、

おかげで電池交換も年々難しくなっているなと思います。


壊れたら諦める覚悟で電池交換の挑戦はいいと思います。

電池交換を失敗し壊して持ってくるのは、

止めて欲しいなと思います。

 
 
 

最新記事

すべて表示
ルイヴィトンの時計を直しての巻

先日ドアが思い切りよく開き、 大柄の男性の方が入店してきました。 思い切りよくドアを開けるのは、 ①当店を何度か利用されている方 ②難しい時計修理をどうしても直したい方 のどちらかです。 お顔を見れば、何度も利用して頂いたお客様です。 「ルイヴィトンの時計を直してくれ」...

 
 
 

Comments


bottom of page