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岩手時計店・店主

対局時計 シチズン ザ・名人戦 DIT-40

更新日:2022年5月23日

本日は将棋の対局時計の修理話です。



ちょうど10年前でしょうか。

時計の電池交換で来られたお客様が将棋盤を眺めていたので、

「将棋指してみますか?」と問いかけてみました。


この頃は将棋の電王戦が行われていて、

個人的に将棋が熱かった時で、店主もネットで指していました。


お客様相手なので接待将棋と思うかもしれませんが、 そんなお優しい言葉をかける性格ではございませんのでガチ勝負。


結果は、ぼろ負けでした・・・・。


悔しくて数回やりましたが、何度やってもぼろ負け。

飛車の攻めが強烈でかわしきれません。


「もう悔し過ぎですよ。」


屈辱の「飛車落としてもらえないでしょうか」と言う台詞を絞り出すように出して、 何とか一瞬のすきで勝ったのですが、お客様は逆にそれが非常に悔しかった様子。


勝てたのは、その一局だけで、その後の両落ちも負けました。


後で分かったのですが紫波支部の方でして、 お話を伺うと将棋も支部化されていて、 結構奥深いものだなと思いました。


常々言われた「定跡覚えないとね」

と言う台詞が凄く心に残っています。

やっぱり将棋も勉強しないとダメなのねと思いましたよ。



その方が、久々に来店。

「対局時計を直してほしい」との事。

「これは無理です」と言いたかったのですが、


思い出深いお客様はなんと言うのでしょうか・・・・

「多少無理でも、なんとかしてあげたいのでありますよ。」


修理も恐らくこうすれば良いだろうの、ほぼ工夫の世界。


ボタンをバンバン叩くので、 ギミック部分のプラスティックのツメが欠けています。。。。。。


基盤は壊れてなそうなので、

ボタンの部分を何とかすればいいので、直りそうです。


ボタンを直したのに、反応が無い‥‥


なんでだろう…と正常な片方の部分を観察していると、

ボタンを押した瞬間に金属部分が互いに接触して通電する仕掛けの様だけど、

壊れたボタン部分には金属部分が無いから、何かほかの部品で代用して‥‥と


完全修理ではないですが、使えるまでは復活しました。 いつも思うのですが修理より改造ですよね。


プラスティックは金属部品と違い、 割れたら終わりですので本当に気を使いました。

「修理は壊れた状態を直す作業なので、直すつもりが壊してしまう事もございます。 特にプラスティック時計の修理は、壊しても責任取れません。 最近はコピー商品などの粗悪商品が出回っており、頭を悩ましております。 お預かり時より壊れてしまった場合はご了承くださいませ。 (普通の時計修理も同様でございます)」


直って良かったです。

弱いですが、また将棋を指してもらえればと思います。



















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